「わたしを忘れないで」

 拝啓、坂本龍馬様。おんしは今、どこでどうしてござるんじゃろうか。陸奥守吉行は本丸の庭をぼおっと眺め、物思いに耽っていた。 あれから四百年ほどの時が過ぎて、今自分は審神者と呼ばれる人間、それも女性を主と呼んでいる。彼女の…