朱の窓辺にて

 私が聖地にいたころ? ずいぶんと昔のことをご存じですのね。ええ、ええ。このようなお婆さんの昔話ではありますが、あなたのお役に立てるのならばお話しいたしましょう。 あれは、私が十八の春でした。同じく聖地への赴任が決まった…